適当に 青空JumpingHeart 津島善子 コスプレ衣装 物色を始めると、視界の先にある真っ黒な本を手に取って、その題名を確かめた。堕天の書とは、一部の界隈では希少な洋書だ。あまり日本では流通していない上、日本語訳版なんて滅多にお目にかかれない代物だ。「珍しいものなの?」「ええ!内容がマニアックすぎて日本語翻訳されたものはほんの一部でしか取り扱ってなくて……!基本は堕天使に関連した占いの本なんだけど、他にも堕天使に纏わるお話やら、呪文など、内容が盛りだくさんなのっ!」「占いか……」「あら、リリーも堕天使占いに興味あるの?」「う、うん。ただ、その占いと言えば、今SNSで話題の占い師がいたなーって」「へぇ。そしたら是非とも私の運命を占ってもらいたいものね。名前を教えてもらってもいいかしら?」「う、うん。アリスって言うんだけど……」「へぇ、アリス……。どっかで聞いたような……。アリス!?」「……?知ってるの?」「いえ……。えっと、童話のアリスが好きだから……。はは……」「でも、どちらかというと恋愛相談が主な気がする……。よ、善子ちゃんも好きな人がいたら……その、相談してみたらどう?」「そ、そうね……。でも、今のところそういう人いないから……」「そ、そうなんだ……。あ……。こ、これはね。純粋な興味なんだけど……。ど、どういう人が好みなの……?」「へ!?いや。あ、うーん……?私、好きな人できたことないし……」「そ、そうなんだ……。えっと、じゃあ、誰とも付き合ったことないの?」「いや、中二病全盛期の中学生の私に恋愛なんてできると思う?」「そんなに可愛いのに……。そう、なんだ……」「か、可愛いって……」え、待って。超ぐいぐい来るわね……。率直に可愛いと言われるのは悪い気はしないが、恥ずかしすぎて体によくない。早く話題を変えなければ……。「そういうリリーは誰かと付き合ったことあるの?」「え、私……?」熱くなった頬を手で仰いでリリーに問いかけた。リリーは目をぱちくりとさせてから、すぐに答えた。「私は、ほら。ピアノ一筋だったから、そういうのはしたことなくて……」「へ、へぇ……。そうなんだ……」というか、私への恋が初めてなの?なにそれ、超ドキドキするんですけど……。ちらちらとリリーが、こちらの様子を伺ってくるのを視界の端で捉え、キュンキュンしてしまった。好きとかどうとか、そういうのはよくわからないけれど、少なくとも普段はしっかりとして頼れる先輩に、こんな健気な一面があると知ったら誰だってドキドキしてしまう。「と、とりあえず、これ買ってくるわね!」これ以上は目に毒だ。 WATERBLUENEWWORLD 津島善子 コスプレ衣装 キュン死してしまいそう……。堕天使の書を持って小走りでレジに向かって、リリーから離れた。
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