今でも分からない。それでも、伝えた方が、幸せなのだろうか。それとも今のままが幸せなのだろうか。最初は仲の良い友人でよかったのだ。それは一言で表すには勿体ないくらい自分が求め、焦がれていたものであり、そして何があっても手放したくないもの。私は、ずっと欲しかったのだ。「友人」と呼べるものを。そしてそれはふとした瞬間に私の手の中に舞い降りてきた。余りにも唐突で、偶然で、あっけなかった。欲しかったものは案外近くにあった。アクシデントかもしれない。たまたまなのかもしれない。それでも私は、友人が自分にもできたことを喜び、とても嬉しかった。放課の時間に他愛のない会話で盛り上がり、授業後には話題のカフェに行き、休みの日にはどこかへ遊びに行く。そんな「非日常」が、私の欲しかったものであり誰もが持っていて、羨ましかったもの。それを与えてくれた彼女には、どれだけ感謝をしてもしきれない。私は、我慢しようと誓った。だって。だって。私はこの関係が壊れてしまうことが、とても。とても恐ろしくて、嫌だった。だがいつの間にか、決心は鈍って、雨に流されていた。「…」「…千聖ちゃん…？」「…大丈夫よ。気にしないで」「ごめんね。ありがとう」二人で歩いていた雨の道は、騒がしいのに何処か静かで、今の私の心を静めるのには、丁度よかったのかもしれない。でも、私は大丈夫としか伝えるしかない。外はとても肌寒いのに、私の心は熱くて。ドロドロに溶けてしまいそうで。口を開いても声が思うように出てこない。伝えたい想いも、この感情も。そのまま溶けて流されてしまったかのようで、辛くて、嬉しくて、惨めで、温かいものが溢れて零れていく。こんな私を心配する彼女に、口で大丈夫。そう伝えても彼女は心配してくれるのだろう。彼女に心配をかけてしまい、申し訳なさと嬉しさが込み上げてくる感情を、私は唯々恨んだ。Poppin'Party 市ヶ谷有咲 コス衣装 疲れているわけでもない、私のこの感情は彼女には悟らせるわけにもいかない。そんな気持ちを押し殺しながら過ごしている。隣にいつも通り座る彼女。いつも通りなのに、いつも通りではない。彼女の仕草から香る匂いに心は揺さぶられ、動かす手、動かす指、動かす瞼、動かす唇。そのどれもに目を奪われてしまう。私は、その現象を認めるわけにはいかなかった。それを認めてしまえば、私は二度と彼女の友人を名乗ることは、出来ないだろうから。
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