ペコさんの髪……今日も良い匂いだよ?

 「おいっすプリコネR マホ  コスプレ衣装ー☆ ただいま戻りましたー☆」「おかえり、ペコさん」ギルド協会から引き受けた魔物討伐の依頼を済ませ、ギルドハウスに帰宅すると、リビングルームにいるのはごはん王子こと彼だけでした。コッコロちゃんとキャルちゃんはどこですか? と尋ねた所、コッコロちゃんもまた一人でのお仕事の最中で、キャルちゃんについては彼も把握していないそうです。そして彼もついさっき手紙配達のお仕事から帰ってきたばかりとのことです。「そうなんですかー、その様子ですと、キャルちゃん今日は帰ってこないかもですねー」 私はイスに座り、ギルド協会に提出する報告書を書こうとペンを握ります。しかし半分程書いた所で―ムギュ☆ っと背中から彼に抱き付かれてしまいました。彼の男の子の手がガッチリと、私のお腹に巻き付きます。「え、えへへー? ど、どうしたんですか?」「……ん」どうやらいつも彼のお世話をしてくれているコッコロちゃんが帰ってこないのが寂しいようで、その寂しさを私を使って発散させているようです。「もー、これじゃあ報告書が書けませんよー」「……ペコさんの髪の毛、長くて綺麗で、良い匂いがする」「ッ///」記憶喪失により彼の精神年齢が赤ちゃんレベルなのは把握していますが、それでも肉体年齢は私と同年代な訳で、そんな彼にいきなり抱き付かれたらドキドキしてしまいます。彼は鼻で掻き分けるように私の髪の毛を掘り進み、やがてピト、と鼻頭がうなじに触れるのを感じ取ります。「も、もうっ! 流石においたが過ぎますよっ!」そう言って振りほどくも、彼は寂しそうに眉尻を下げて、「ご、プリコネR サレン コスプレ衣装ごめんなさい……」と謝りますので、流石に強く言い過ぎたかな、と反省してしまいます。「ああ、違うんですっ! 怒ってないですよ! 泣かないでください! ただ……恥ずかしくて……髪の毛も……魔物討伐から帰ってきたばかりで、シャワー浴びてないですし……熱のこもってる髪の裏側とか、絶対汗臭くなっちゃってますし……」「ペコさんの髪……今日も良い匂いだよ?」そ、そう言うことを言っているんじゃないんですよ~っ!

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