二重人格新作への挑戦 氷川紗夜 コス衣装
という特異なモノを有する香澄は第二人格ーーカスミとはほぼ自由に交代をすることが可能である。しかし、長い年月をかけてその体質に心身を慣らして常人とは少し違う体質になっているとはいえ、人格交代による身体へのストレスは大きい。それ故、カスミから元の第一人格である香澄へと戻ると過度な疲労によって酷い眠気に襲われてしまうのだ。「みんな〜! 今日は私達のライブに来てくれてありがとう〜! バイバ〜イ!」今日もまた香澄/カスミはCiRCLEでのライブを終え、有咲達と共にステージを後にした。そして、数分後。「……んぅ……」「香澄。このまま寝ちゃっていいよ」ラウンジのソファーにて、カスミから交代した香澄は先にライブを終えていた蘭の膝を枕に、頭を撫でられながら寝かしつけられようとしていた。「……」「……ん……」穏やかな笑みを浮かべている蘭に頭を撫でられること数十秒。蘭の愛撫を受けた疲労困憊の香澄の瞼はゆっくりと閉じていき、数秒も経たずに寝息を立てて眠りについた。「……すぅ…………すぅ……」「ふふ」蘭は自分の膝の上ですやすやと眠る香澄の寝顔を見つめると、愛おしそうに微笑んでスマホのストップウォッチを止めた。「……すぅ…………すぅ……」「二分三十六秒、」蘭はスマホの画面に表示されている記録を一瞥してため息を吐いた。「はぁ……なかなかリサさん達のタイムを越せないな」ライブの後は必ず香澄はラウンジで寝てしまうため、二年ほど前から《愛でる会》の面々の中では香澄を寝かしつけるまでのタイムを計り、ちょっとした競争ごとをしているのだ。ちなみに、トップ三人はリサの『三十秒』、有咲の『四十五秒』、つぐみの『一分』である。「……すぅ…………すぅ……」「リサさん達にあって、私に足りないのは…………母性?」香澄の寝顔を見つめ続けながら、蘭は真剣な表情でそんなことを呟いた。別にタイムを競っても得することは特に憧れの先 丸山彩 コスプレ衣装何も無い。だが、蘭はバンドメンバー達が戻ってくるまで、この後も暫く学校でのテストの時よりも真面目に香澄を早く寝かせるには何が必要かを考え続けるのだった。
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