私は氷川さんの隣に座った。周りには私以外に視野の範囲には誰もいない

 「白金さん情熱伝わる想い 倉田ましろ コス衣

…よくできましたね。」あの人にそう言って貰いたくて…でも、いつも私は一人で頬を赤らめ空回りしてばかり…『好き』という感情はずっと前から芽生えていたと思う。あのとき…あのときから私は初めて女性らしく…いや、彼女に振り向いて貰えるように自分を高めたと思う。柄にもないお洒落をしたり…女子力を高めてみたり…今…彼女は一体、私をどう思っているのだろうか。彼女は私の王子様だから…プールで溺れたあの日…保健の先生から聞いたのは氷川さんが私にキス…人工呼吸をしてくれて助けてくれたこと…掠れた瞳に映ったのは私を暖かな目で見つめる彼女…氷川さんだった。暖かかった。私の全てが安らいだ。「白金さん…先程振りですね…」あぁ…私は今も彼女に夢中だ…目の前には素敵なコーディネートで身を纏った氷川さんの姿がある。「はいっ…!///…先程…振り…です…」私の頬が赤く染まる。「今日も上手く言い表すことが出来ませんが…可愛いです」褒め上手なのか私を揶揄っているのか分からないが私は恥ずかしくなって彼女に返事を返せなかった。「行きましょうか。白金さん。」無自覚か?と思うほど彼女の笑顔は自然だった。差し伸べられた手に私は従うまま、手を繋いだ。従うがままに連れてこられたのは初めて私たちがプライベートで来た大図書館。氷川さんに国語を教えて、私は数学と生物を教わった。私からするとデートのような感覚だった。「ここに来ると…さまざまな事を思い出しますね。あのときは二人とも距離があった印象ですが…」「あのときよりも…仲良くなれて良かったです…」口上手でない私たちは軽い会話のキャッチボールをして図書館に入った。私の背丈の倍以上はある無数の本棚に囲まれた私は久しい姿に圧倒された。それと同時に私の心臓は激しく躍り、緊張した。私は氷川さんの隣に座った。周りには私以外に視野の範囲には誰もいない。隣を直視できないほど私の頬は赤く染まっていた。心臓の鼓動が五月蝿い。冷静になることが出来なくなるほど私はhigh隠しきれない秘密 広町 七深 コス衣になっていた。「ひゃっ…////」体全体がピクッと反応してしまう。冷たい感触だった。背中の中に氷のように冷たい手が入ったようだ。「ふふっ…今日の白金さんは隙だらけだったので…」「うぅぅ…氷川さん…//酷いです…!!」私はポカポカと氷川さんの肩を叩く。

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