とつない真っ白な天井。無機質な薬品のにおいがほのかに香る、静寂の空間。薄いガラスを隔てた外側では、小鳥が囀り蝶が舞い、自由を謳歌しているというのに。夢も希望も、絶望さえもが途絶えた鳥籠。閉塞感に満ちた小さな病室。それが、わたしの住む世界。そして、わたしの周りを構成する全てでした。「……退屈だなぁ」日に何度か、問診に訪れるお医者さんと看護婦さんの背中を見送って、そう独りごちます。わたしの過ごす日々はとても退屈です。退屈で、退屈で、退屈で——。退屈過ぎて、頭がおかしくなってしまいそうなくらい、退屈な人生です。単純で味気のない毎日。当然、関わる人も限られていて、病院の関係者と両親以外では、たまに廊下ですれ違う、入院中のお爺ちゃんや、お婆ちゃんくらいのもの。いつも挨拶をしてくれますが、人見知りのわたしは上手く返事ができません。……きっと、感じの悪い子だと思われていることでしょう。ごく稀に顔を見せる両親は、わたしの容態を端的に訊いては、すぐに帰っていきます。二人とも、仕事が忙しいのです。
「……早く死にたいなぁ」思わず口にしてはハッとして、首をぶんぶんと振ります。いけませんね。冗談でも口にして良い言葉ではありません。世の中には、生きたくても生きられない人が沢山居るのです。自分を諌める度に、わたしは思います。——それなら、そういう人が、わたしの代わりに、わたしの分まで生きてくれたらいいのにな、と。十四年にも及ぶわたしの人生は、いつも病院と共にありました。学校に行ったことは、ほとんどありません。友達——、どころか、同年代の人と話したことさえ、ロクにありません。勉強もできません。にじさんじ 健屋花那 コスプレ衣装簡単な読み書きくらいはできますが、数字は苦手です。どう考えても、お先真っ暗なわたしの人生。二十歳になって、成人して、漢字も書けない、計算もできない、そんな大人と友達になってくれる人は、居るのでしょうか? 雇ってくれる会社はあるのでしょうか?少し考えれば、分かることです。……けど、別にいいんです。 そんなこと、わたしには関係がないから。
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