閉まってしばらくしてからグッと伸びをして時計を確認する。たぶん、もうすぐ帰ってくるかな……。まふゆが瑞希と絵名と仲良くなってくれてよかった。まだ少し自分を出していないところが気になるけれど、あの二人なら大丈夫だろう。ゆっくり、まふゆのペースで繋がりを持っていけばいいのだから。部屋のノックで作業を止めると入ってきたのはまふゆとミクだった。瑞希の家から帰って来た二人はわたしに、ただいまと言った。おかえり、楽しかった?そう会話をしてミクはコクコクと頷いて、わたしに近付いたまふゆが返事をせずにぴたりと止まった。「まふゆ?」声をかけてもまふゆは、ぴたりと止まったまま距離を縮めることはない。まふゆはジーッとわたしを見つめた後、ふいっと部屋から出て行ってしまって、わたしは目をパチパチとさせた。それからミクへと視線を移す。「えっと……?」「……奏、何かしたの?」「え、わたしなの?」「わからない」わたしとミクはお互い顔を見合わせて、それから首を傾げる。でも放っていたらダメだということはわかったから慌ててまふゆの後を追った。そして見つけたプロセカ 花里みのり コス衣まふゆは……猫の姿になっていた。わたしの足音が聞こえたはずなのに、わたしに背を向けて振り返りもしない。ただ尻尾がビタン、ビタンと床に叩きつけられている。不機嫌、というのだけはわかった。「ま、まふゆ?」「……」ビタン、ビタン尻尾を床に叩きつける音が返ってくる。
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