夢なんか挫折してしまえばそれでお終い

 千砂都

小悪魔 小原鞠莉 コス衣装「私の家もバイトしてないと回らないからね……。今日はバイトは休みだったけれど、バイト戦士だもんね。でも、どっちも頑張る!それが私の夢というか目標だもの。」かのん「夢か。私には持てないなぁ……。もう……。無理無理だし。普通の高校生でいる方が楽なのかもしれない……。」千砂都「かのんちゃん……。」かのん「ご、ごめんね。暗い話をして。」千砂都「いいよ。分かってるから……。」かのん「いつもありがとうね。」千砂都「私達は幼馴染。でしょ?困ったときはお互い様、だよ?」かのん「そうだね。」千砂都「ご馳走様。また来るね。それじゃ、自主練いってきまーす!」かのん「頑張ってね~。」私は、ちぃちゃんを見送ると彼女が飲んだコーラフロートを下げて洗う。洗っている中で私はあの今となっては思い出したくないあの日の事をつい思い出してしまう。私には、夢を叶えることなんて無理なんだと思い知らされた中学2年のあの日。はっきり才能も何もかもないと悟ってしまったんだ。だから、私は、音楽は好きだけど、歌うことはあんまり好きじゃない。夢なんか挫折してしまえばそれでお終い。そもそも最初から……。かのん「私には無理だったんだよね。」私は、そう呟いた。私はただ、ちぃちゃんが夢を叶えるのを応援することしかできない普通の女子高生だから。小悪魔 津島善子 コス衣装私はただ、ちぃちゃんが夢を叶えるのを応援することしかできない普通の女子高生だから。私は、その夜、勉強しながら音楽を聞いていた。あの時挫折した時、その時に歌えなかった曲を……。

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