あの、この――」「このスローガンについてはどう思う?」 彩に遮られてしまった。彼女が進行役を務めるつもりのようだ。
「なんか難しい言葉だよね。どんな意味なんだろう?」その様子に、わずかな胡散臭さを覚えた。強引すぎる。まだみんなの考えがまとまっていない。しかし、他の者は特になにも感じていないようだ。偽らず、禍根を断ち、天命を待つ。皆の興味は、そのスローガンに向いている。「偽らず。これはそのまま、嘘をつかないという意味で捉えられますね」「そうだね。次の……これなんて読むの?」 漢字を指差し、彩が首を傾げる。「かこんですね。禍根を断つ」禍根。なんとなく耳にしたことはあるが、どういう意味だったか。「禍根というのは、簡単に言えばトラブルの火種みたいなものね」千聖から解説が入った。彼女も紗夜に負けず劣らず、豊富な知識を有している。「なら、禍根を断つということは、トラブルの火種をなくすということですね」「ええ、そうだと思うわ」「ありがとうございます、助かります」「どういたしまして」紗夜と千聖の協力プレー。例の幽霊の件では見られなかったものだ。私の出番はいよいよなさそうである。「天命を待つ。これは、人事を尽くして天命を待つ、という故事成語からでしょうか」「だったら、やれるだけのことをやったら、あとは天に任せる、ということかしら」「そう考えていいでしょう」「嘘をついたりせず、トラブルの火種も残すことなく、最後は天に任せる。とても部活のスローガンらしくはないわね」「そうですね。噛み砕くとどういう意味になりそうでしょうか……」紗夜の呟きに、皆で頭を捻る。RAS チュチュ コスプレ衣装「なんか、あんまり仲良くなさそうだよね、この部活」「丸山さん、なぜそう思いますか?」「え、だってさ。嘘とかトラブルとか、そんなの仲が良かったら最初から起こらないもん」
コメント
コメントを投稿