五人の中心に、得体の知れない何かが哭き叫びながらゆっくりと大神宮へ向かっていた

 曇天の夜ホロライブ 姫森ルーナ コスプレ衣装のキョウノミヤコに、少女のようなナニかの慟哭が響き渡る。その叫びのする方へ金時の背に乗り揺られながら、キョウノミヤコのカミの一柱、さくらみこが顔をしかめる。ほんの一刻前にケガレの気配を察知した三期生たちが、意気揚々と出て行ったが一向に戻ってくる気配がない。キョウノミヤコが誇るカミ、それでいて共に数多のオツトメをしてきた実力派、その三期生五人がいまだに戻ってこない。「あの五人だから大丈夫だと思ったけどにぇ……」単に手こずっているだけなら手を貸してやればいい、実はもうオツトメは終わって、五人でダラダラ駄弁駄弁ってるとかそういうのならいい。だがこういう時、決まって悪い方の予想が当たるものだ。 粉々にされた人参、握りつぶされた頭蓋骨の欠片、ひしゃげた鎧とフリントロック銃が、気息奄々な五人と一緒に転がっていた。戦いの名残か、地面に焦げ跡も残っている。そしてその五人の中心に、得体の知れない何かが哭き叫びながらゆっくりと大神宮へ向かっていた。あまりの金切り声に思わず耳を塞ぎたくなる。 見た目はアヤカシのような獣風ではない。人型だ。だが大きく違うのは、無数の腕が足に、体に、顔に纏わりついていて、実体がどういう容姿なのかも見当がつかない。ただのケガレより質が悪い、邪神の領域に片足を突っ込んだケガレガミだ。こういう相手は祓うのが一番面倒な上に、カミ数人がかりでやっと祓えるようなのが大半だ。それが五人がかりでも倒せないとなると相当だ。みこは懐から獣が描かれてる札を5枚取り出し、投げた。札は淡く光ると、金時より一回り小さく白い可愛らしいにじさんじ 夢追翔 コスプレ衣装獅子へと変わる。「35P、みんなを連れてって」現れた35Pたちは恐る恐る倒れている五人の元へ行き、器用に背に乗せてその場から立ち去った。関心が無いのか、哭き叫ぶので忙しいのか、その間、ケガレガミは襲い掛かってくることは無かった。周りに影響を及ぼさない、攻撃性のない小さなケガレなら勝手に消えるのを待つが、ケガレガミとなると話は別だ。奴はその場にいるだけで悪しきイワレを振りまき、人に、土地に害を及ぼす。祓うには十分すぎるほどの理由だ。


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