「うふふ、スカーレットソウル 羽沢つぐみ コス衣装おたえ、なんだか赤ちゃんみたい」さっきから無言でぼーっと突っ立っているおたえを見上げて、沙綾はちょっと笑った。その笑顔を見て、おたえはなぜだかドギマギしてしまった。「え、あ、うん、えーと……沙綾、すごいなと思って」「弟たちがよく食べこぼしするから、こういうのは慣れてるんだよね」沙綾は事も無げに言い、作業を続ける。ハンドソープの成分を落とすと、今度は乾いたティッシュで布地を両側からぎゅっと挟んで水分を吸い取った。できるだけ水分をぬぐおうとしてかなり強く押さえるのだけれど、手のひらを器用に使ってバランスよく力を入れているせいか、襟の布地は皺ができることもなく、まるでアイロンをかけたみたいにぴしっとなった。沙綾が自分の胸元で手を動かしている様子を、おたえは魅入られたようにじっと見つめていた。沙綾の温かい息遣いが首筋に感じられるくらい、距離が近い。襟元に触れられているこそばゆい感覚と、沙綾のなすがままになっている状態がなんだか心地よくて、おたえはこの魔法のような時間がずっと続けばいいなとぼんやり考えていた。けれど、沙綾は最後にトン、トン、とリズミカルにティッシュで布地を叩くと、あっさり魔法の終了を宣告した。「はい、おしまい。ちょっと濡れてるけど、今日はお天気もいいし、すぐ乾くよ。たぶん汚れはもう目立たないはずだけど、気になるようならクリーニングに出してね」そう言うと沙綾はてきぱきと後片付けを始めた。ティッシュをゴミ箱に捨て、手を洗い、鏡を見て身だしなみを整える沙綾の姿を劣等上等 パレオ コスプレ衣装、おたえはまだ魔法から覚めきらぬまま呆けたように眺めていた。「おたえ、どしたの?」おたえがじっと固まったままでいるのに気づいた沙綾は、きょとんとした顔で尋ねる。そう言われて、おたえははっと我に返った。
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