和風でスローテンポ。ライブは二回しか行われなかった通好みの曲

 しずくと覚醒後 西木野真姫 コスプレ衣装璃奈にいじられ、かすみが抗議の声を上げるのは以前と同じ。しかし今は追加で、栞子が何とか長所を見つけようと頑張ってくれている。「プロの世界にも物怖じしないのはさすがです。かすみさんは大物になりますよ」「そう? えへへー、しお子は正直だなあ」「栞子さん、甘やかしちゃ駄目だよ。この子はすぐ調子に乗るんだから」「それより栞子ちゃんが、μ'sの曲を使うとは思わなかった」もう芸能界の話はいいという風に、璃奈が話題を変えた。向けられた栞子は柔らかく微笑む。「音ノ木坂学院アイドル研究部は、連絡なしでカバーして良いと宣言して下さってますからね。今回は時間がないので助かりました」「『スノハレ踊ってみた』って、動画サイトで山ほど見つかるもんねえ」かすみが少し羨ましそうに呟くが、栞子が選んだのはスノハレやぼらららのようなメジャー曲ではない。和風でスローテンポ。ライブは二回しか行われなかった通好みの曲。『だってだって噫無情』昨日のことを思い出しながら、栞子の思考は愛しの先輩へ飛ぶ。「当初は少し迷いました。勝てるならまだしも、お借りした曲で負けたら切腹ものではないかと。でも歩夢さんが言ってくださったんです。 『負けるなら使ってほしくないなんて、μ'sの人たちは絶対言わないよ。スクールアイドルを広めるために、あんなに頑張ってたんだもの』って」「さすがは歩夢さん」しずくが感動する一方で、璃奈は勝負のことを忘れず警戒気味だ。「あの曲を栞子ちゃんがやるとなると、覚醒後 東條希 コスプレ衣装かなりなライブになりそう。手強い」「ご期待に背かぬよう頑張りますね」(みんな色々考えてるなあ)かすみも日曜のことはいったん頭から追いやり、勝負に意識を集中する。この四人の中で、アイドル自体に思い入れがあるのは自分だけ。なのに頂点を取れなかったとしたら――プロの世界を目指したところで、望みなどあるだろうか?

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