美咲はどんな浴衣を着てくるのかしら!

  昔、それこそわたしとピアノ 白金 燐子 コスプレ衣装小学生か幼稚園児くらいの頃、花火が見たいとせがむあたしを両親が連れていってくれた少し遠くの町のお祭りがあった。遠いと言っても小さい子ども目線の話で、電車に乗って3駅程度だし、中学に上がるまでは毎年家族で行っていたから勝手も分かる。確か花火が有名だった筈だからこころの注文にも合うだろうと提案すれば、それがいいわね!と一つ返事で快諾されて、いともあっさり日曜日の予定が埋まる。 余程楽しみなのか即興の鼻歌を歌いながらスキップしているこころを横目に、あたしも少しだけ祭り当日へと思いを馳せる。 中学に上がってからは部活なんかで予定が合わず、足を運ぶのは久し振りの花火大会。用意しておかないといけないものを考えて、財布にタオル、うちわか扇子かと並んだところで、ふと『浴衣』と頭に浮かぶ。浴衣。確かに、お祭りと言えば浴衣だろう。見栄えはいいし、着てくる人も多いだろうし、あたしだって着るのが嫌って訳じゃない。とは言え何が後ろ足を踏ませるかって、浴衣は手間が掛かるのだ。用意するのも着替えるのも面倒だし、何より最近は近所の祭りにくらいしか行く機会がなかったせいでうちに浴衣なんて無い。こころが着てくれたら可愛いだろうけど、そりゃもう可愛いんだろうけど。あたしは、まあ買ってまで着る程じゃないかな、なんて。そんなことを思った瞬間に。「美咲はどんな浴衣を着てくるのかしら!」そこに至るまでの過程をロウィンラビット 花園 たえ コスプレ衣装すっ飛ばして、唐突に振り向いたこころがそう言った。まるで心を読まれたみたいな発言に心臓が跳ねる。噎せるように咳き込んで、諸々の動揺を押し流すように息を吸う。「浴衣? あたしが?」「もちろんよ。お祭りと言えば浴衣でしょう?」ついさっき自分で思ったことと全く同じことを言われて、ぐっと言葉が詰まる。「で、でも、あたし浴衣なんて持ってないし……」「それなら黒い服の人たちに用意してもらえばいいじゃない」一度は着ないと決めてしまった手前 、何となく素直に意見を変えることもできずに否定的な言葉が口をつく。

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