「本当に、隠しきれない秘密 広町 七深 コスプレ衣装すけこましというか分かりやすいわ」「聞こえるよ、モブちゃん。そういうプレイ? こんな大勢の前で」「逆にどういうプレイだよ。いや、大胆だなと」放課後になり、モブとプリクラをショッピングモールで撮り、ファストフード店で軽食を取っている最中、六花は尋常じゃなかった。「緊張しているのが分かるのよ」モブは賢し気なしたり顔を浮かべて、にやにやと笑っている。「ついに六花にも春が来たか」とプリクラの写真をひらひらとさせた。「そんなことないよ。私は私だ」「だって、掃除のときとかヤバいやん。アンタ、またアイツをじろじろ観察してさー、変な風に発展しないといいのだけれど」「なにが?」トレイに大量の包み紙を持っている華奢な男が、急に会話に参加してきた。ぎょっとそちらの方を見ると、すけこまし(仮)がいた。「あー、ぽんぽんぺいんー。お花摘みに行こ。すけこまし君、そこ座って」「そこって?」「六花の向かい側」この女郎が!と六花は足早煮去っていくモブを、思い切り心の中で蔑んだ。なんだってこんな事態にするんだよ、ふざけやがって。「……ああ、どうも」着席し、恒常な口調ですけこましは包装紙をゆっくりと剥がし、一口でハンバーガーを丸のみにした。六花は唖然とし、ポテトを落とす。決して「さや活」なる物をしているワケではない。「すけこましく君は、大食いだね……」「見ての通り」「あの……なんでそんなに食べているの痩せているの? デブ活無理やりしているの?」「結構失礼に値する質問だと思うけれど、まあいいや。食べて出すと痩せるから」「え?」意味が分からないが、多分出すというのは下からという意味だろうと六花は解釈し、そのまま下を向く。根っからのコミュニケーション能力障害を龍、舞い踊る! 弦巻 こころ コスプレ衣装存分に発揮し、喋らない。でも、まずは私が変わらなければ。「あの、趣味とかあるの?」「歌うことかな。カレン・カーペンターが好きで」「カーペンターズ? バンドとかやってたの?」「バンドというか……うーん、まあ、アコースティックユニットみたいなことはやっていたよ。そういう君も」すけこましは視線を六花のギグケースに向ける。「バンドやるの? いいじゃん、ベースにせよギターにせよ、JKのバンドって萌えるし燃えるよね」なんつーこというんだと六花は思いながら、その後のことは夢うつつで覚えていない。ただ、覚えているのは、趣味の話に2人で没入していたことだ。
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