クロちゃん!見て見て天堂さんの新しいお洋服!

 「天堂さんヴュー衣装 胡蝶 静羽 コスプレ衣装​​​​​​​可愛い~!」ぱっとリビングから聞こえてきた華やかな声はきっと華恋のもの。いつもなら気にしないけどつい足を止めたのはその内容が内容だったから、天堂真矢が可愛い、聞き間違いじゃなければ確実にそう言った。一体どういうことよ、部屋に帰ろうとした足は自然とリビングに向かって私は顔覗かせた。「新しいお洋服だよね?かわいー!」「ありがとうございます」見慣れない服。いつもからじゃ想像できないくらいゆったりとした雰囲気の服と様子に私は目を瞬かせる、…いや、可愛い、うん。素直にそう思える服。白基調のとか真矢に合ってるし、前の部屋着と比べるとちょっと大人っぽいって言うか、女の子らしい。頭のてっぺんから足の先まで、じっくりと眺めては、やっぱり可愛い、なんて感想を抱いていればカチリと藤色の瞳と視線がぶつかり合う。しまった、とは思ったけれどその時にはもう遅くて真矢の視線に釣られるように華恋が私に気が付いた。「クロちゃん!見て見て天堂さんの新しいお洋服!」それが運の尽き。私の腕をぐいぐい引っ張りながら真矢の前まで連れだした華恋は「可愛いよね!?」ってそれはもうキラキラの目で訴えかけて来る、そんな顔されたら「可愛くない」とは言えないし、第一私もこの服を着てる天堂真矢を可愛いと思ってるから嘘なんてつけやしない。少し居心地悪そうに私の様子を窺う真矢をもう一度全身見て、やっぱり抱くのは同じ感想。「…可愛いんじゃない?ヴュー衣装 田中 ゆゆ子 コスプレ衣装アンタに良く似合ってるし」いいと思う。多分何でも着こなせちゃうんだろうけど、こういう服は嫌いじゃない。同性でも可愛いと思える服装で小さく頷きながら答えたら目の前の真矢の顔が一瞬きょとんし呆気にとられたような顔をしてから直ぐにゆるゆると柔らかく綻んでいく。「…ありがとうございます」私に褒められるのが嬉しいですみたいな顔しないで欲しいわ、可愛いから。「あっ、じゅんじゅんに勉強教えて貰うんだった…!」だよねだよね!と賛同してた華恋が急に何かを思い出したかのように慌て始め、内容がないようなだけに早く生きなさいと言うしかない。純那、怒ると怖いのよね。

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