魔法少女マジカソレイユじゃないの?

 夢を見た。バンドリ 上原 ひまり コスプレ衣装​​​​​​​自分が自分じゃなくなるような、とても怖い夢を。 丸山彩、白鷺千聖、大和麻弥、若宮イヴ──そして、おねーちゃんこと氷川紗夜。あたしに多大な影響を与えた人物に囲まれながら、好きな曲のギターパートを演奏していた。「みんな、どう?」 五人とも怖いくらいに無表情。彩ちゃんに触れようと手を伸ばしたら、「それ」は霧になって消えちゃった。「あなたはだぁれ?」「あたしは氷川日菜。Pastel*Palettesギター担当の氷川日菜だよっ!」「本当に?」「魔法少女マジカソレイユじゃないの?」 それもあたしだよ。でもそれはあくまであたしのもう一つの顔。氷川日菜は氷川日菜なの。次の瞬間、真っ暗で何も無い空間がライブハウスになった。Pastel*Palettesのライブの様子で、五人とも楽しそうに演奏していた。「……おねーちゃん?」 あたしがいるべき場所におねーちゃんがいた。「あれは紛れもなく氷川日菜、君自身だよ」「徒党を組んだ魔法少女は大切な感情を失うんだってミッシェルが教えてくれたよね。『あれ』はそうなってしまった氷川日菜だよ」さっきから誰なの?あたしの声で話しかけないでよ!「あたしってだぁれ?」「あなたはだぁれ?」 あたしは……「あたしってだぁれ?」「あなたはだぁれ?」わかんないよ。「あなたは──マジカソレイユだよ」 あたしは、だぁれ?「嫌ぁぁああ!……え?」目を覚ますと、そこは病院だった。「今の……夢……?」スマートフォンの画面には今の時刻が表示されていた。深夜二時、もう少し大声を出していたら夜勤の看護師さんが駆けつけてくれたりするのかな。「……お水飲もう」サイドテーブルに置かれたコップの中の水はとても冷たかった。あんな夢を見たせいか火照った身体が冷えていくのを感じた。「あたしは……氷川日菜だよ。Pastel*Palettesのギター担当、氷川日菜。うん、大丈夫」 何度か自問自答を繰り返す。あたしが覚えてる限りのことは完璧に答えられる。 でも、布団の中で過ごしていると、どうしても不安な感情っていうのは渦巻いてくる。Pastel*Palettesの皆はお見舞いに来てくれるけど、病室にいる時間「TITLE DREAM」 丸山彩 コスプレ衣装はとても少なくて心許ないそんな不安からか、似たような夢を何度も見たあたしは自分という存在に疑問を持つようになった。そして確かめたくなった。あたしが何者なのかを。あたしは氷川日菜なのか、マジカソレイユなのか、あるいは──『日菜?珍しいわね、貴女から電話なんて』「ごめんね、こころちゃん。こころちゃんってバンドリトパーズなんだよね。ワープゲートで色んなところに人を転送できる魔法少女」『……それがどうかしたの?』「あたしをどこか遠くへ連れてってよ。あたしが何者なのか、自分探しの旅がしたい」『場所を指定して。私の魔法はそんな曖昧な言い方だとワープゲート開けないわよ』「そっか……じゃあ、いくつか用意してほしいものがあるんだ。いいかな?」

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