私達、ラブライブ優勝を目指しているんです!

 春、それ結ヶ丘 葉月恋 コスプレ衣装は始まりの季節。今日も可可を変えたあのときと変わらず、真っ青な空に桜の花びらが舞っていた。「……ヨシ」可可の初めてを迎える場所。それが、この結ヶ丘女子高等学校。かつて可可が一期生として通っていた地に、再び舞い戻ってきた。「初めまして!ㅤこの春よりこのクラスを担当することになりマシタ、ターン……失礼、澁谷可可デス。科目は中国語担当デス!」アイドル練習生のときに、かのんに言われて取った教職員免許。それがこんな形で使えるとは思いませんでしたが……「可可先生はこの結ヶ丘の最初の卒業生で、今年教師として結ヶ丘に戻ってきたということです」「まだ不慣れなことばかりデスが……よろしくお願いしマス」静かになった教室。次に生まれたのは今まで経験してきた、ステージの上と同じ熱狂でした。「可可先生ってもしかしてあの可可!?」「去年引退したアイドルのでしょ!ㅤすごい……」「はわ……はわわ……」「今はもうただの教師デス。アイドルではありマセン」教師には親しみやすさが大事。アイドルだなんて浮いてしまいますし、ここでは教師であることにこだわっていきたい。「とにかく、これから一年間よろしくお願いしマス!」「スクールアイドル……今もあるんデスね」あのときから変わらない部室。結ヶ丘にはスクールアイドルがあると聞いていましたし、その顧問になるということも理事地から聞いています。ですが、目にするとその言葉が溢れてきてしまいました。「こ、こんにちは!」「こんにちは!」挨拶してくれたのは、部室にいた5人の部員らしき人達。5人と聞くと、Liella!を思い出します。「新しい顧問の唐……いえ、澁谷先生ですよね。この学校の一期生で、『ラブライブ!』優勝グループ、Liella!の」「アリェ、知っているのデスか?」「はい!ㅤ私達……というか、今学校にいる人なら皆知ってますよ!この学校出身の伝説的アイドルが教師としてやってくるって聞いて、それから調べて、皆納得して……」「そんな、伝説的なんて言えるものではないデスよ……可可は一度も虹ヶ咲メンバー 桜坂 しずく コスプレ衣装ファンを一番に、なんて思えなかったのデスから……」アイドルとして失格だった。世間の評価がどうであれ、可可はそう考えています。可可の一番はいつだってアイドルのことでもファンの皆さんでもなく、かのんだったのですから。「私達、ラブライブ優勝を目指しているんです!ㅤだから、ご指導をお願いできないでしょうか!」可可達のときは先生なんていなかった。ですが、今伝えられることは伝えるべき。可可もできることはやる。「分かりマシタ。可可の全部を叩き込みマス」

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