「てことでSolitude-Rain 桜坂しずく コス衣日曜にプロのライブを見て、話も聞くことになりました~。かすみんは意識が高いなあ」翌日の昼休み。一緒のお昼を一年生に呼びかけたかすみは、集まった部室で自画自賛していた。しずくがお弁当を咀嚼しながら呆れた目を向ける。「いや遅いよ。私は何度も劇場に通ってるし、劇団の人と話したこともあるけど?」「うっさいなー。しず子が異様に早いだけじゃん」「子供の頃からの夢なんだから当然でしょ」とツンツンしているしずくだが、少し顔がにやけかけているのを、表情に厳しい璃奈は見逃さなかった。一方で栞子は、ハンカチを取り出して目頭を押さえている。「かすみさんが真面目に進路を考えているなんて……。どうせ調査票もふざけて書くとばかり思っていました。生徒会長として感涙の至りです」「失礼だなしお子は!とりあえず話聞くだけだから、進路はまだ分かんないけどさ。……りな子はあんまり興味なさそうだね」「私にとってプロアイドルは、アニメにゴリ押しで棒読みを当ててくる相手でしかない。璃奈ちゃんボード『怨念』」「おお……よく分かんないけどすごい恨みを感じる」「まあ、極まれに上手な人もいるけど」スクールアイドルは好きでも、それ以外のアイドルの世界はしずく達には縁遠い。そんな友達三人に、かすみは悪い顔でひそひそ声を出した。「ぶっちゃけプロアイドルって言っても、あんまり大したことないよ?」「かすみさん……あなたって人は……」しずくは頭痛がしてきたように頭を抑え、慌てたかすみは箸を持ったまま手を振る。「いやいやいや、しず子もアイドル番組見てみなって!そりゃ歌もダンスも上手い人もいるけど、そうでもないのも結構いるから。『何でこの子がテレビに出てて、かすみんは出てないの?』って思うから」「それはねかすみさん。うちのお父さんがプロ野球を見て、『こんなヘボ監督より俺が采配した方が勝てる』って言ってるようなものだよ」「えーっ、そうかなあ」かすみは納得いかないように口をとがらせている。苦笑した栞子が、一応はフォローに回った。「日本のアイドルは未熟さばかりアピールして、韓国に比べてレベルが低い、覚醒後 園田海未 コスプレ衣装という記事は読んだことがあります」「あー、韓国の芸能界ってむちゃくちゃ厳しいらしいね。かすみんは日本にいて良かった」「こ、志が低すぎる……」「かすみちゃんが腹黒いのは今に始まったことじゃないから」「腹黒いって言うなあ!」
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