選ばれない覚醒 絢瀬絵里 コスプレ衣装ことには慣れている。そして、そんな心持が、選ばれないことに拍車をかけてしまったのだと、心のどこかでは理解していた。 だけど、そうやって予防線を張らないと、潰れてしまいそうで。ダメだとわかっていても、そんな言い訳を続けてしまっていた。だから、そう。素直に言えば、可可が選んでくれたのは嬉しかった。今まで同情されて声をかけてくれる人もたくさんいて。だけど、可可の言葉には嘘がなかった。 だってそうでしょう? アレだけスクールアイドルに真剣な彼女が。ラブライブで優勝できなかったら帰国しなければいけない彼女が。本当は気に食わないはずの私ならできると言うのなら、それはきっと本物以外の何物でもないのだから。私が一番欲しかったのは、誰かに選ばれること。情けや同情ではなくて、私以外に絶対ありえないと信じてくれる誰かから。だから、可可が選んでくれた事実は、今まで積み重ねてきた失敗や今目の前に立ち塞がる壁よりも優先されて、私に響いたのだから。「カノン~可可と今度のお休みお出かけしませんか?」至近距離にいるかのんに、やけに大きな声で可可は言った。私は興味がなさそうにそっぽを向いていると、かのんは申し訳なさそうにこう返した。「あーその日はお店の手伝いをしなきゃいけないんだよねー」「そーなんデスか……。せっかくスクールアイドルの限定ライブ! のチケットを手に入れマシたのに……」ん? 何今の強調? しゅんとしているわりには不自然ね……。まぁ、私には関係ないんですけど……。別に微塵もこれっぽっちも思ってないですけどー?「では、チサトとレンはどうデス?」あー、はいはい。いつものやつね。私だけあえて外してちょっかいかけてくるやつ。確かに前みたいな私を敵視したような攻撃的なものはなくなったけれど、覚醒 園田海未 コスプレ衣装依然としてケンカ? のようなものは残っている。ある意味、このじゃれ合いこそが私と可可だけの唯一無二のコミュニケーションと思うと、少しだけ嬉しい気持ちもあるけれど、こうして私だけが選ばれないみたいなちょっかいのかけられ方は、不服だった。「あー私もバイトがあるんだよねー」「わ、私も……その何でしょうね。生徒会の活動とか色々……」
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