見慣れた虹ヶ咲 近江 彼方 コスプレ衣装玄関のドアには、ジャックオランタンを模したオーナメントが飾られていた。中に入ると、雰囲気だけでも、と言った感じにハロウィンっぽい装飾が目に入る。うちは喫茶店だけど、季節のイベントにはそれなりに助けられていて。限定メニューを出したりもするから、ちょっと忙しくなるけど。昔からそういう空気は嫌いじゃなかった。カウンターの向こうで手伝いをしているありあに、私は気の抜けた声をかける。「ただいまー」「お姉ちゃん遅かったね」「もうくたくただよ」土曜日の練習はいつも以上に気合いが入っていて、ちぃちゃんの目がちょっぴりこわかった。もっと上手くならないといけないし、心を鬼にして言ってくれているのは分かってるんだけど。あの後、私達より早く部室を飛び出していったから今日も多分バイトなんだと思う。ちゃんと休めてるかな、無理してないといいけど。他のみんなとは次の曲の打ち合わせをしていて、すっかり暗くなっていた時は思わず顔を見合わせた。それだけ集中していたんだ。帰り道の空気がひんやりしていて、冬が近づいていることを感じた。季節はいつも、早足で進んでいる。夕食がまだだけど、子供向けに用意したお菓子が籠に入れられていたから目を盗んでひとつだけポケットに入れた。トリックオアトリート。子供の頃に友達の家や、近所を回ってお菓子をたくさんもらったのを思い出す。うちにも知ってる子達が来ては、お母さんがお菓子をあげていて、その中にはもちろんちぃちゃんが居た。余ったお菓子は、次の日に全部食べてしまって怒られたっけ。もう高校生だから、お菓子をあげる側になっちゃったのかな。階段を登る足が、疲労で重たい。明日休みでよかった、と口からこぼれた。ソファに腰掛ける。メッセージの着信音がして、画面を見るとちぃちゃんからだった。『今から寄ってもいい?』と似顔絵のアイコンが呟いている。「いいよ。気を付けてね、と」もう暗いから、一言付け加えておいた。部屋が散らかっていないことを確認して、少しすると下から話し声が聞こえた。あれ、もう着いたんだ。メッセージからあまり時間がμ’s 園田海未 コスプレ衣装経っていないし、すぐ近くまで来ていたみたい。でも、ちぃちゃんなら何度も来ているし、いつもみたいに何も言わなくても部屋に上がってきてくれるから気が楽だった。待っていると、静かに部屋のドアが開いた。「遅くにごめんね」「ううん。大丈夫」
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