「この真ん中覚醒後 園田海未 コスプレ衣装の所なんだけど、綺麗なまんまるの穴がぽっかりと」「あぁ、サウンドホールね。音を響かせるのに結構大事な部分だったりするんだよ」「へぇ~、さすがまるだねぇ」まるに対する評価がやけに高すぎる気もするが、私の好きな物に興味を持ってくれることが素直に嬉しくてついつい笑顔になってしまうのは仕方がない。本当はサウンドホールって色々な形があって、ちぃちゃんの好きな綺麗なまんまるだけじゃないんだけど。そんな水を差すような事は伝えずに何の気なしに弾いてみるかと問えば、ちぃちゃんは私の誘いに対し初めて首を縦に振った。今まで散々断られ続けただけに今ならもれなく「澁谷かのんが手取り足取り1から10までみっちり指導コース」で教えてしまいそう。「よっと。えーっと、こんな感じ?」わざわざ正座へと座りなおした彼女はひょいとギターを膝の上に乗せた。「うんうん、良い感じ」見た目はとてもさまになっている。ちぃちゃんに対する評価が甘すぎるとすみれちゃんにはよく呆れられるけど、そんな贔屓目なしにしても良い感じだと思う。それが甘いのよ、ってすみれちゃんのため息が聞こえたような気がしたけど無視無視。「かのんちゃん、この後どうしたらいい?」「そうだね、じゃあ……」適当にコードでもおさえてみようかな、とちぃちゃんの真後ろに座り直し身を寄せた。ソファーの高さがある分いつもより良く見える2つのお団子に当たらないよう左側から近付くと、ふわりと香るお日様みたいな匂いがくすぐったい。ギターと私の間にすっぽりとおさまっているちぃちゃんの姿が妙に愛くるしくて。つい必要以上に身体を寄せてしまうものだから、彼女の背中にへばりついているみたいでなんだか可笑しかった。頬が触れ合う距離まで顔を寄せれば溜まらずちぃちゃんが身をよじる。「ふふ、かのんちゃんの髪がくすぐったいや」「いやほら、こうでもしないと教えられないし?」逆に教えにくくない?ってちぃちゃんが楽しそうに笑うから、このまま僅かに漂う甘い雰囲気の中じゃれあっていたい誘惑の芽が顔を出す。けれど、ちぃちゃんも同じ気持ちじゃないかなと盗み見た彼女の瞳は先程と変わらず子供のようにキラキラとしたままで。かぁっと顔が熱くなる。私ばっかり勝手に盛り上がって恥ずかしすぎる……。最近はやけに意味もなくくっついたり甘えたくなってしまう傾向がある事は自覚していたけれど、少しは我慢することも覚醒後 西木野真姫 コスプレ衣装覚えないといつか歯止めがきかなくなりそうで怖くなる。自身の邪な気持ちに気付かれないよう誤魔化すためにこほんと1つ咳ばらいをして。そそくさと身体を離し、ネックを握るちぃちゃんの左手のそばへと自身の手を添えた。
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