帳がホロライブ 常闇トワ コスプレ衣装消えた瞬間星が見えた。一番星かと思ったが、そういうわけではなかった。空を見上げる暇もなかったこと、そして、日が落ちてから随分長い時間が経っていたことに七海はようやく気づいた。漏れ出たため息は空気を白く染め、いくらか漂ったあと消えた。マルクス経済の基盤となる考え方は、労働の対価は貨幣であることだ。働きに相当する報酬がなければ普通の人は動かない。中にはそうでない人もいるかもしれないが、そんな人間は一握りであって、全体は利己的な活動を行う。最低限のモラルを守ることを条件に、人間一人一人が自分の利益を追求することで、世界の需給バランスが調整されると説いたのはアダム・スミスだったか。ひとつ言えることがあるとすれば、人間は基本的に利己的な生き物であり、それは悪ではないということだ。「ナナミーン、お疲れ様ー」「虎杖君、無事でしたか」相変わらず傷だらけな彼を見て、七海はスマホを取り出した。1コール目が鳴り終わる前に伊地知が出た。迎えに行くのに5分ほどかかると言われた。了解、と電話を切った。「もう夜だね」「そうですね」「あ、ナナミンこれあげるよ」そう言って虎杖はポケットを探り始めた。しかしあれ、あれ?と言うばかりで次第に目も泳ぎ始めた。「どうかしましたか」「たしかポケットにブラックサンダー入れてたと思ったんだけど……落としたかなぁ」「そんなこともあるでしょう」あっさりと会話を終わらせた七海に虎杖はなぜか悔しそうにしている。「今日バレンタインなの知ってた?」「バレンタイン……ああ、今日が14日でしたか」「お世話になってるお礼にチョコぐらいって思ってたんだけど、落とした……」日々のお礼がブラックサンダーなんですか?とついつっこんでしまいそうになったが耐えた。がっくりと肩を落とす虎杖がなんだか面白い。笑いをこらえながら二三言話をしているうちに伊地知が到着して車に乗り込んだ。ホロライブ 百鬼あやめ コスプレ衣装高専に着く頃にはバレンタインのことなんて頭から消えていた。珍しく誰もいない事務室には冷たい月光が差し込んでいた。割り当てられた机にはなぜかファイルが山積みになっている。これ以上時間外労働をする気はないが、このままにしておくわけにもいかない。七海は何度目かのため息をついてファイルを整理し始めた。報告書、企画書、使用許可証……後から発生する面倒を防ぐために現場に求める事務仕事の数は膨大だ。若干辟易しながらも七海は淡々と仕分けをした。そうして最後のファイルを手に取ると、なにかが机から滑り床に落ちた。
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