「なきり、ホロライブ 兎田ぺこら コスプレ衣装イチゴちょうだい?」「主役を取るのか! というかあくあちゃんには自分のイチゴがあるだろう?」ここはホロライブ事務所――ではなく、その近くのカフェ。よく所属タレント達がお昼休みを満喫している行きつけのお店なのである。窓際の丸テーブルに向かい合って座ったこのふたりも例に漏れず、収録の合間の一時を過ごしているようだ。「いいからいいから♪」満面の笑みを浮かべながらあやめのショートケーキの主役たるイチゴにあくあがフォークを突き立てると、じっとりとした視線を避けるように大袈裟にそれを振り回した。「あぁ……余のイチゴが」あくあの猛プッシュにより仲良くお揃いのケーキを頼むこととなってしまったあやめ。別々に選んで分け合った方が良かったのでは、という杞憂も楽しそうに笑うあくあの姿を前にどうでもよくなってしまったようだ。攫われていく主役を見送りながら小さく息を吐いた。「はい、完成! 見て見てなきり! これなきり!」どことなく歌うような語感にあくあの心の躍りようが表れているかのようだ。あやめの視線の先では双子になった主役を乗せたケーキがその重さに耐えきれず密度を増していた。「このイチゴが角でね、色がなきりっぽいの!」「そ、そうか……?」「そうなの! そしてあたしはこのなきりを……食べます」「そうか……」白いクリームに覆われ、スポンジ生地に挟まれた層がイチゴに味つけられているのかほんのり赤みを帯びたショートケーキ。どことなくあやめらしく見えないこともないかもしれない。「なきりのこと食べちゃうよ、いいの?」「え……い、いいよ……?」「そっかぁ……にへへ」 だらしなく笑みを浮かべるあくあの頬は、ほんのりと赤く色づいていた。「ケーキ美味しかったね」VTuber Hiiro コスプレ衣装「うん、イチゴはなくてもケーキはケーキだ」「えへ……それほどでも」「ほめとらんぞ? そろそろ午後の収録だな」「あ……」休憩も終わりが近づき、事務所へ戻ってきたふたり。スタジオに向かおうとしたあやめだったが急にしおらしくなったあくあを見て足を止める。「どうかしたのかあくあちゃん、食べすぎたか?」「ん、違うよ……ちょっとこっちきて」「ど、どうしたんだ――のわっ!」
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