結社内でもあまり飲むことがない方だから、本当にレアだった

 「うーん、ホロライブ さくらみこ コスプレ衣装うー、ん……」「いろはちゃん、ほら、もうすぐだから」トレーニング体験を終え、「お疲れ様会」と称して皆で晩酌を行った結果、お酒に弱いいろはちゃんはラプラスといい勝負で泥酔した。ハイテンションになるラプラスとは違って、いろはちゃんは酔うとふにゃふにゃになって、寝言みたいな話し方になるのが可愛い。結社内でもあまり飲むことがない方だから、本当にレアだった。今日はなんだか距離を詰められなかった気もするし。朝起きたら、いろはちゃんが顔を真っ赤にしていて、それからというもの、なかなか近づかせてくれなかったのだ。割けてるような雰囲気じゃなくて、距離感を測りかねてるみたいな初々しい感じ。だからこうやって介抱でもくっつけるのが堪らなく嬉しい。久し振りのいろはちゃんの感触に満足しながら、やっとのことで布団が敷かれたいろはちゃんと私の寝室に辿り着く。「ついたよー」「ぅ、ん……」肩をトントンと軽く叩くと、ゆっくりと頷くいろはちゃん。私はその子供っぽい可愛さに悶えながらも、ゆっくりといろはちゃんを布団に寝かせようとする。―――と、そのときだった。「んー」「んぇ?」何かを探すように手をフリフリと彷徨わせたいろはちゃんは、私の服に指がかかると、それを自分の身体に引き寄せた。私はいろはちゃんを寝かせるために前に重心をかけていたから、何もできずにいろはちゃんと一緒に倒れ込む。ポフッ、と布団が私達を支える音がした。「ぁ………」呆気にとられた私の横で、倒れた時の軽い衝撃により綺麗なエメラルドの瞳を半ばほど煌めかせた状態のいろはちゃんがこちらを見ていた。「―――っ!!??」「んぅ……?」状況を自覚した私の心臓が、張り裂けるほど強い鼓動を全身に伝える。ホロライブ 星街すいせい コスプレ衣装一瞬にして酔いが回ったかのごとく顔が熱くなる。そんな私を見つめながら、幻に囚われているかのような惚けた顔でいろはちゃんは口を開く。「しゃ、か、また……」「い、いろっ、ちゃんっ!?」名前を為していない私の言葉は、反射的に小声になる。自分の名前を呼ぶいろはちゃんの声は、いつだったか、私の手をぎゅっと握りしめて謝りだした時のそれよりもずっと妖しく、ずっと嫋やかで、ずっと色を纏っていた。たったそれだけで、私の思考回路はショートする。

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