自然の恵みが吾輩を健康優良児へと進化させていく気がした

 サー、バーチャル セレン コスプレ衣装と自然がしめやかに吾輩の身体を起こしていく。いつもアラームか幹部の声で覚めるこの目も、清らかな空気に導かれて自力で覚醒の時を迎えた。「ん……」最初に目に入ったのは木材建築ならではの木組みだ。無機質な吾輩の部屋とは違って、見ているだけで何かが身体に入り込んでくるような気がする。放り出された手は畳の上。仕事をし始めた太陽が差し込んできていて、ちょうど吾輩の掌を明るく照らしていた。「……あったけー」ギュっとその手を握って光をしちゅーに収める。そうすると血がほどよく巡りだして、起きるだけの熱量、適正な体温を獲得できる身体へと変化していく。「よし」そこまで味わいながら、吾輩はやっと上半身を起こした。自然の恵みが吾輩を健康優良児へと進化させていく気がした。―――ほんとにそんな気がしたんだ。あのときは。「あれ、は!嘘だっっっ!!!!」吾輩は山中という自然の中を結構な速度で走りながら目覚めと今のギャップを叫ばずにはいられなかった。鳥の鳴き声、草木のざわめき、川のせせらぎ。今はそういうのが全部煽りに聴こえる!!「おい誰だ!観光なのに、折角だから里のトレーニングメニュー体験してみようって、言ったのッ!!」侍トレーニング。其の一。山中地獄めぐり。「吾輩の美しい朝帰せ!」言いながらも吾輩は亜音速に近い速さで山を踏破。どんどん景色の輪郭が粗くなっていく。だが先行組との距離が縮まらない。「ごめんってラプ。ほら、運動しないとじゃん」張本人が木から木へ飛び移りながら吾輩の方を向く。幹部は翼も使わずに森の中を自由に駆け回っていた。バーチャル エリーラ コスプレ衣装「にゃろぅ……」それだけでも異常なのが分かるが、吾輩が言いたいのはあいつらだ。「ほっ、ほっ、ほっ」「んー、よいしょー!」体力自慢達の異次元機動。パルクールのプロでも裸で土下座するようなハイスピードフットワーク。吾輩のそれなりの走りでは追いつく術はない。もう忍者だった。忍者の里に改名しろよ。侍トレーニング。其の二。大滝。「ううう……」大瀑布と見間違えるほどの量の水は、落下による力を得て容赦なくこよの頭と肩を叩き伏せようとする。とにかく痛い。あと何時間続けるんだろう。立っていられないかもしれない。「こよちゃん、無理しちゃダメでござる

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