薄暗いその部屋のベッドの上、そこに博衣こよりは横たわっていた。

 炎炎バーチャル ぽむ れいんぱふ コス衣と燃える太陽の下、風真は肩掛けバッグを持ちながら歩いていた。その中には先程コンビニで買ったものが入っており、微かにひんやりと冷たさを感じる。別に風真は仕事のために外に出ているとかではない。今のところは提出物も早めに済ませてあるし、今日は収録がもうない。あとの予定は夜に配信があるくらいだ。なのに何故外にいるか、それは……「…あ、こよちゃんから?」スマホから通知音が響き、相手を確認するとこよちゃんだった。送られてきたメッセージは「はやくきて」の五文字だけ。それを見た風真はため息をつき、少しだけ足を速めた。数分歩き、こよちゃんの家の前まで辿り着いた。呼び鈴を鳴らすとすぐに中から返事が来る。『いろはちゃん…?来てくれてありがと……鍵は開いてるから、入ってきてー』聞こえてきた声は元気がなく、いつものこよちゃんとは違った。「お邪魔しまーす…」風真は家に入り、鍵を閉めておく。過去に一度だけ来た記憶を頼りに、リビングまでスムーズにきた。…が、そこにこよちゃんの姿はない。なんとなく予想はついていたため大して驚きもせず、風真の荷物を置いてから目的の部屋へと向かう。コンビニで買ってきた物が入ってるバッグは肩にかけたまま。「こよちゃーん?」ノックをして、中からの反応を伺う。すると僅かに「うーん…」バーチャル ヴォックス・アクマ コス衣という声が聞こえたため、もう一度声をかけてから扉を開けた。薄暗いその部屋のベッドの上、そこに博衣こよりは横たわっていた。

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