困った顔がちょっと胸に刺さって、ほんの少し冷静さを取り戻す

 「どしたの、1期生 竜宮フィナーナ コスプレ衣装ムメイ」「ううん、べー、よく食べるなぁって思って」口一杯にご飯を頬張るべーの姿はとても愛らしい。「おいしい？」「うん！　ボク、インスタントで済ませちゃうことが多いから、こういう手の凝った料理作れるムメイはすごいなぁ」……今日はべーを家に招いて手料理を振る舞ってあげた。わたしの料理を食べて笑顔になってくれるなら、作ってよかったと思う。ただ、誤解があるようだから、訂正はしておくことにする。「普段からこんなに凝ったもの作ってるわけじゃないよ。べーが食べたいって言ってくれたから、腕によりをかけて作ったんだよ？」わたしの言葉にべーは再び目を丸くする。口に詰め込まれたものがごくんっと大きい音をたてて飲み込まれる。「そ、そっかぁ、ありがとうムメイ」照れ臭そうにべーははにかんで言う。こんなにかわいい姿が見れるなら、毎日だって作ってあげたいくらい。「ね、べーがよければだけど……毎日ご飯作ってあげようか？」「……え」べーの手からお箸が滑り落ちる。カラカラ、とまるで嗤うようにお箸は転がり、吸い寄せられたかのようにわたしの元へたどり着く。「そ、それって……つまり、“そういう”こと……！？」頬を赤らめながら言うべーの言葉に、わたしはハッとなる。全く意識してなかったけど、言われてみれば……まるでプロポーズみたいだ。「───っ」意識すると途端に恥ずかしくなる。べーのそれと同じようにわたしの顔も真っ赤になった。「ち、違うよっ、そういう意味じゃなくて……もう、べーのバカ！！」思わず転がっていたお箸を投げつけた。狙いの定まっていないそれはべーに当たることもなくあらぬ方向へ飛んでいく。バーチャル 天宮 こころ コスプレ衣装「ご、ごめんね……？」わたしが膨れてみせると、べーは申し訳なさそうに笑った。困った顔がちょっと胸に刺さって、ほんの少し冷静さを取り戻す。「もう…………別に、それでもいいけど……」「え？」「なんでもない！　ほら、早く食べて？」やっぱりまだどこか変かもしれないわたしの心は、知らない内に胸中を明かす。いつもより大胆で、でもまだ臆病なわたしは、多分しばらくはこの距離感のまま進んでいくことだろう。