通り過ぎていく風景の少女に何か後ろ髪を引かれつつため息をついて目を閉じた

 微かなバーチャル ミスタ・リアス コス衣装潮の匂いに目が覚めていく、そうか、そうだ。何も嬉しくなかった引っ越しが終わる所だ。出来るなら私はあのままあの場所に居たかった。けど、そう。そんな事出来はしなくて私が望んでもいなかったから、楽しかった思い出も好きだった人も全部あの場所に置いてきた。ただ私の新しい友達を探すために。「アメリアー 起きてる? そろそろ新しい家に着くわよ。海が近いって知ってたけど この距離なら家から見えるかもね」「・・かもね」別に親の都合で行われる引っ越しなんて子供にとっておかしい話でもないし、世の中ではよくある事だと知っている。それでもそれが自分の身に降りかかるなんて普通起こるまで思わないと思う、わざわざ嫌な事を想像する趣味があるなら話は別だけど。新居に向けて車は順調で車窓から見える綺麗な海岸はこの街の名物の一つだったか、サーフィン何かをするのにいい波がよく来るらしい。しかし時期的なものも相まってかこの寒空の下には人っ子一人いない、海で遊ぶには流石に寒いか。ちょうど秋か冬かという季節に差し掛かってきて海温も寒いし。「友達ね」昔から別に友達を作るのも仲良くなるのも不得意じゃない。けど友達って言うのは不必要とまでは言わないけど、確実に必要だと言えるほどの存在でもなかった。それに前の学校の友人たちとの連絡が途切れて、完全に関係が切れたと諦められるまでは一人のままでもいいかなと思う。「・・ん?」バーチャル サニー・ブリスコー コス衣装ただただ白波が煌めいていた朝の海岸線、太陽光を反射する砂浜の上に誰かが立っている。私の視力で見える限りの情報を言うならそれは白いワンピースを着た少女で、少なくともこの季節の海に居ていいような恰好ではなかった。辺りに大人も見えないし家出とかでもない限りもしかしたら見た目より大人なのかもしれない。通り過ぎていく風景の少女に何か後ろ髪を引かれつつため息をついて目を閉じた。こんなんだから着くまで目覚めないつもりでいた筈なのに、運転の荒い親かそうでないなら眠りの浅い自分を恨んだ。

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