獰猛な金属の脚が、硬質な床を叩く音が響く

 緑色のバーチャル エリーラ コスプレ衣装文字列が宙に浮かぶ。滑らかな卵の上部がするりと持ち上がり、左右に割れて中身を露わにする。一体の人型が、その中からゆっくりと身体を起こした。死んだように生気を感じさせぬ表情で眠りについていたそれが瞳を開き、けれども無表情をそのままにむくりと起き上がったのだ。衣服の類は身につけていなかった。その肉体の特徴的な膨らみは確かに少女のものではあったが、淫靡さなど感じさせず、どこか無機質にさえ感じた。当然だ。その身体を覆う皮膚は、人間のものとは違う。生きた細胞によって生成られたものではない。ゴム、ウレタン、プラスチック、シリコンなどを配合して創造られた、限りなく人間の皮膚に近い人工の皮膚であった。彼女は身体を起こすと、脚を棺桶の外へと踏み出し、立ち上がる。その脚は異形であった。ネコ科の肉食獣のそれを模したような、三本の指を有する金属の脚だった。鋼鉄の爪がカツンと硬い音を立て、機械が詰まった膝が駆動する音が静かに響く。直立。続けて歩行。歩くたび、バーチャル セレン コスプレ衣装バランスを調整するように身体の各部がキュルキュルと音を立てる。一歩踏み出すたびに調整され続けたそれは次第に最適化されたのか、耳障りな調整音は止んでいた。獰猛な金属の脚が、硬質な床を叩く音が響く。次第に歩みを止めた彼女は、壁に掛けられていた武器と衣服を装着する。ミリタリージャケットを着込み、大型のサバイバルナイフを左肩に装着する。留め具を外し、抜く。戻し、留め具を留めなおす。動作がスムーズに行えることを確認すると、もう一つの武器へ手を伸ばす。不思議な材質で作られた銃であった。

コメント