綺麗に磨き上げられた強固なそれはおそらく金属であろうか

 荒廃バーチャル ショート コスプレ衣装​​​​​​​した街であった。建築物はひび割れ、ところどころ剥がれたコンクリートには無造作に伸びた植物の蔓がのたうち、奇妙な青い水晶に蝕まれている。人々は有害物質に侵されぬようシェルターに籠もっているのか。暴徒と化した放浪者に襲われぬよう隠れているのか。はたまた、単純に絶滅したのか。もはや再興の見込みもない、寂しい都市であった。昔から、世界が滅ぶ話はありふれていた。大量破壊兵器を用いた戦争が勃発したか、高度な知性を有したAIが人類に反旗を翻したか、宇宙からの侵略者が降りてきたか、もしくは恐ろしい魔王が別の世界からやってきたか。この都市が滅びた理由など、誰にもわからない。だが荒廃した世界にお決まりの想像を巡らせるほど、しかしそれらがどうにも似合わぬほどに、どこか静謐さを感じる景観であった。人の気配の見当たらぬ都市。陽の当たらぬその一区画で、唐突に地面が割れた。地下から、円柱状の物体が持ち上げられるように出現した。土を冠のように乗せた柱には一筋の線が縦に走っており、チカチカと赤いランプが瞬いている。それがカチリと音を立て、緑色へと変わった。線が滑らかに開いた。円柱の壁が開くと、内部は空洞であった。エレベーターだ。サビではなく、固まった土片を擦り落とすようにして再度扉を閉めると、地下へと伸びるその空洞へと円柱の部屋がゆっくりと下降していく。そこはとある施設であった。綺麗に磨き上げられた強固なそれはおそらく金属であろうか。いっそ不気味にすら思えるほど流麗な材質によって覆われた、人知れず遺された施設であった。バーチャル サニー・ブリスコー コス衣装電力が生きている。文明を担う者たちが居なくなり、忘れ去られたはずの電灯の灯りが部屋の中を照らしていた。部屋の中心に、棺桶のような機械が横たわっている。それは流線型であり、暖かく明滅しており、まるで孵る直前の卵のようにも、羽化を間近とした繭のようにも見ることができた。繋がれたコードの類が、へその緒のように電力を運んでいたのであろう。チカッ、と備え付けられたパネルが光った。映し出されたコードを読み取る者も、応える者もいないのに、それでも機械は自分に定められた役割を全うする。

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